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JRきっぷのはなし

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カテゴリ: 雑記

先日「きっぷを買えないから列車に乗らない」というニュースを見かけて「そんな馬鹿な」と思ったのですが、文字に起こしてみたら結構複雑で面倒だった、というおはなし。

きっぷの分類

まずは、どんなきっぷが存在するのかを見てみます。

乗車券

どの列車に乗るのかにかかわらず、列車に乗る際に必ず必要になるきっぷです。東京駅から品川駅へ山手線で行くのにも、東京駅から博多駅へ東海道・山陽新幹線で行くのにも必要です。

都市圏で列車に乗られる方は「いやいや、普段電車に乗るときに乗車券なんか持ってねーし」という方もいるかもしれません。そのような方は、代わりにSuicaやPASMOなどのICカードを改札にタッチしていると思います。このICカードが乗車券の代わりをしているのです。

乗車券には「普通乗車券」「定期乗車券」「企画乗車券」などの色々な種類があり、乗車券の種類によって乗れる列車が異なりますが、どの列車に乗る際にも必ず必要となるという意味では同じです。これらの乗車券の種類については後述します。

乗車券というものを簡単に理解したところで、乗る列車によって追加で必要になるきっぷを見ていきます。

特急券・急行券

乗る列車の種別が「特急(特別急行)」の場合は特急券が、「急行」の場合は急行券が、追加で必要です。新幹線は種別を目にする機会がありませんが、全列車が「特急」です。急行は臨時列車以外では現存しないため、見る機会は無いかもしれません。

列車の種別にかかる料金のため、これらの列車に乗車する際は、座れない場合(自由席で空席なし)でも、座らない場合(立席)でも必ず必要です。

グリーン券・グランクラス券

乗る車両に、緑の四葉のマークが付いている場合はグリーン券が、金の六角形のマークが付いている場合はグランクラス券が追加で必要です。正式には特別車両券と呼ばれ、通常よりもハイグレードなサービスを提供している車両を使用する際に必要になるきっぷです。

乗る列車の種別が「特急(特別急行)」「急行」の場合は、必ず特急券とセットで購入することになり、きっぷも一体化しているため、価格以外を意識することは少ないかもしれません。

寝台券

乗る車両が寝台車(ベッドで就寝できる車両)の場合は、寝台券が追加で必要です。

現存する列車は「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」のみであり、列車種別が「特急」のため、必然的に「乗車券」「特急券」「寝台券」の3枚が必要となります。ちなみにノビノビ座席は寝台ではないため「乗車券」「特急券」のみで乗れます。

座席指定券

乗る列車の種別が「特急(特別急行)」「急行」以外で指定席に乗車する場合は、座席指定券が追加で必要です。具体的には快速列車の指定席(リゾートしらかみ、uシート、Aシートなど)や、ライナー列車の指定席などで必要です。

きっぷの分類のまとめ

カッコ内は必ず同時に購入し、1枚のきっぷにまとまっています。きっぷの区間や買い方によっては、乗車券と特急券やグリーン券が1枚にまとまっていることもあります。

  • 普通列車に乗る場合: 乗車券
  • 普通列車のグリーン車に乗る場合: 乗車券 + グリーン券
  • 特急列車の普通車に乗る場合: 乗車券 + 特急券
  • 新幹線の普通車に乗る場合: 乗車券 + 特急券
  • 特急列車のグリーン車に乗る場合: 乗車券 + (特急券 + グリーン券)
  • 新幹線のグリーン車に乗る場合: 乗車券 + (特急券 + グリーン券)
  • 新幹線のグランクラス車に乗る場合: 乗車券 + (特急券 + グランクラス券)
  • 特急列車の寝台車に乗る場合:乗車券 + 特急券 + 寝台券
  • ライナーや快速列車の指定席に乗る場合: 乗車券 + 座席指定券

きっぷの種類

ここまでで、乗車に必要なきっぷがわかりました。しかし残念ながら、これらのきっぷには様々な種類があり、それぞれのきっぷで効力が異なります。適当に買うと「あれっ?」となるかもしれません。

乗車券

  • 普通乗車券
    特に何の制約も無く券面に記載された区間に乗れる、片道の乗車券
    • ICカード乗車券
      ICカードのチャージ残高を用いる乗車券。都市圏では1円単位で運賃が計算される。エリアをまたいで乗車できない、途中下車ができない、振替乗車の対象にならないなどの制約がある
    • 往復乗車券
      往復の行程がセットになった乗車券。片道で600km以上の場合は1割引となる
    • 連続乗車券
      6の字ルートの場合や一部のルートが重複する場合に発行される、少し特殊な乗車券。運賃や効力は普通乗車券と同じだが、有効期限が通算される
  • 定期乗車券・ICカード定期券
    券面に印字された区間かつ経路で、自由に乗降できる乗車券。特急列車は例外規定がない限り、乗車券として使用できない
  • 企画乗車券
    鉄道会社が効力を各きっぷ毎に細かく設定できる乗車券。いわゆる「オトクな切符」のことで、18きっぷやフリーパス、ネット予約割引きっぷが該当する
    • 普通列車乗車券
      普通列車として扱われている列車(普通列車・快速列車・ライナーなど)に限定した乗車券。特急列車や急行列車の乗車券としては使用できない
  • 回数乗車券
    券面に印字された区間かつ経路で、有効期間内に規定の回数使用できる乗車券。10枚分の値段で11回乗車できるものが多い。現在は、ほとんど販売終了している

特急券

  • 指定席特急券
    指定された列車の指定席車両にある、指定された座席に乗車することができる特急券。着席保証
  • 自由席特急券
    自由席車両に乗車することができる特急券。日付・区間のみが指定されており、自由席車両であれば、どの列車に乗っても良い。着席保証なし
    • 特定特急券
      2種類ある。いずれも、条件に当てはまる場合は自動で特定特急券に置き換わるため、自分から選択する必要は無い
      • ①新幹線の隣駅同士(かつて隣駅だった区間を含む)に設定されている、割引された自由席特急券のこと
      • ②全列車全車両が指定席の区間の自由席特急券で、指定席車両の空いている席に着席できる(指定を受けた客が来たら譲る必要がある)
    • 立席特急券
      • デッキに立って乗ることができる特急券。全車両が指定席の列車(はやぶさ・こまちなど)が満席の場合に発売される
  • 座席未指定特急券
    購入時点では自由席特急券と同様に乗車日・方面・区間のみを指定し、乗車する列車・座席を指定しない指定席特急券。あとから座席指定をするか、空いている席に着席する(指定を受けた客が来たら譲る必要がある)。座席指定をしない場合は着席保証なし

おわり

ある程度慣れているから簡単に見えただけであって、書き出してみたら思ったよりも複雑でした。ここから、さらに旅行の目的・状況に沿った割引率の一番高いきっぷを選ぼうとすると大変です。

高速バスであればこんな面倒なきっぷ探しをしなくても一括検索ができる上に運賃が安いため、移動時間に余裕があれば高速バスに流れていくのも分からなくはないですね。。。

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