雑記帳

整理しない情報集

日本縦断の旅 2日目

去る11月の初週に1人で日本を(ほぼ)鉄道で縦断する旅をしてきました。その旅の記録の2日目です。2日目は枕崎から寝台列車までです。

おそらくこの後公開される記事を含め、この日の記事が一番長いです。写真の枚数も多いため、モバイル回線をご利用の方は併せてご注意ください。

枕崎6:04発の列車に乗るため、6時前にフロントに鍵を置いて駅に向かいます。この日の枕崎の日の出は6:30過ぎのため、辺りはまだ静かで真っ暗です。駅前に停車中の枕崎発鹿児島中央行きのバスの案内放送が響き渡ります。

枕崎駅

枕崎駅入口

枕崎駅 駅名標

枕崎駅は本土最南端の終着駅です。今回の鉄道での目的地である本土最北端の稚内駅の看板がありました。これから2日間、列車に乗りっぱなしの旅が始まります。

ちなみに始発ではなく2番目の列車ですが、筆者が乗車したタイミング(6:00頃)では乗客は誰もいませんでした。平日であればいるのでしょうか?

無人駅なので乗るときに乗車駅証明書を発券するのだと思っていましたが、1日目同様に列車の発券機からは出てこず。動画編集で録画を見返してて気づきましたが、駅の方にも発券機らしき箱があるので、そちらから発券するのかもしれません。

南と北の始発・終着駅(枕崎版)

南と北の終着駅の看板があります。もう片割れは稚内にもあります。

指宿枕崎線 普通 鹿児島中央行き

指宿枕崎線

6:04枕崎発 → 8:53鹿児島中央着

指宿枕崎線 路線図

指宿枕崎線はJR九州の鹿児島中央から指宿を経て枕崎へと至る路線で、JRや普通鉄道で最南を通る路線です。また、今回の旅では唯一の普通列車となります。

車窓 開聞岳

指宿付近までは昨日も何度も見かけた開聞岳を右手に見つつ進んでいきます。この日も山の頂上付近は残念ながら雲がかっていました。

西頴娃駅

列車交換ができる最初の駅である西頴娃駅。指宿枕崎線の末端部は枕崎を出発してから西頴娃駅まで、ずっと単線の棒線駅で信号場は無いため行き違いが出来ません。

西大山駅(車内)

昨日先行して訪れた西大山駅。日本最南端の駅の標がちらっと窓に写っています。

車窓 桜島

指宿駅を過ぎると列車は速度を上げ、今度は右手に桜島が見えてきます。ちなみに今回の旅では桜島は車内からしか見えません。

列車の速度が上がると列車の揺れが目立つようになり、レールの継ぎ目でお尻が浮きます。都会の線路がどのくらいロングレール化されているのかを肌身で感じました。

喜入駅付近から乗客は徐々に増えていき、座席は全て埋まり、立ち客がかなり出るレベルの混雑度になりました。指宿枕崎線は分かりやすいくらいICカード区間のみ利用客が多いようです。

鹿児島中央駅付近

列車は予定通り鹿児島中央駅へ到着しました。

鹿児島中央駅

鹿児島中央駅東口

鹿児島中央駅の東口です。駅複合施設に観覧車がありますが、開くのは10:00のようです。

鹿児島中央駅は九州新幹線の開業前までは西鹿児島駅という駅名で、かつては寝台列車の行き先になっていた時代もありました。

大久保利通像

鹿児島中央駅の東口から少し歩いた先に、大久保利通の像があります。

筆者は特に歴史に詳しかったり興味があるわけではありませんが、9時台は土産屋以外に行くところが思いつかなかったもので・・・。

ちなみに更に北に行くと西郷隆盛の像があるようです。流石にそこまで時間は無いので鹿児島中央駅に引き返します。

安全地帯

鹿児島市内は市電(路面電車)が走っています。何気に安全地帯の標識を教習所以外で見たのは初めてな気がします。

九州新幹線 さくら548号 新大阪行き

九州新幹線

9:35鹿児島中央発 → 11:00博多着

九州新幹線 路線図

九州新幹線はJR九州の博多から鹿児島中央へと至る新幹線路線で、JR最南を通る新幹線路線です。山陽新幹線と直通しており、新大阪駅まで乗換なしで行けます。

九州新幹線の車窓

車窓。お天気に恵まれ、空は青々としています。ただ九州新幹線は大部分がトンネルのため、景色はあまり印象に残りませんでした。

桜島灰干し弁当

鹿児島中央駅で買った駅弁で少し遅めの朝食です。鹿児島の駅弁では有名な「桜島灰干し弁当」をいただきました。

次の乗換駅は山陽新幹線内の駅ですが、折角途中下車できるので九州一のターミナル駅である博多駅で途中下車します。

博多駅

博多駅

博多駅は鉄道の車輪みたいなものがシンボルマークとなっているようです。

で、明太子を食べたくてしばらく駅ナカをぶらついたのですが、祝日であったり、飛び石連休であったり、全国旅行支援が始まったりと混雑する要素が重なりに重なっており、どこも長蛇の行列でした。諦めて明太子の駅弁を買って新幹線に戻ります。

山陽新幹線 のぞみ28号 東京行き

山陽新幹線

12:15博多発 → 12:49新山口着

山陽新幹線 路線図

山陽新幹線はJR西日本の新大阪から博多へと至る新幹線路線です。東海道新幹線と直通しており、直通先を含めた総営業キロは日本の全旅客列車で最長です。ちなみに今回の旅では東海道新幹線は一切使いません。

乗る距離が短く始発駅から乗れるので、この旅で唯一の自由席特急での移動です。

山陽新幹線の車窓

車窓 厚狭駅付近

山陽新幹線は線形が良いのか、時折300km/hに迫る速度で走行します。次は新山口駅で下車します。

新山口駅

新山口駅

この駅はあまり乗り換え時間がないため、ささっと次の列車に乗り込みます。

特急スーパーおき4号 鳥取行き

特急スーパーおき

13:01新山口発 → 16:20出雲市着

特急スーパーおき 路線図

スーパーおきは鳥取駅から山口線を経由して新山口駅に至る特急列車です。グリーン車はありません。

山口線 路線図

まずはJR西日本の山口線を走行します。島根県の益田から新山口を結ぶ陰陽連絡路線です。陰陽連絡路線の西部では数少ない特急が走っている路線ですが、半分以上の区間は輸送密度が低く、その在り方についての議論対象になっている模様です。

山口線の車窓

山口駅くらいまでは市街地が続きますが、少し過ぎると一気に山岳路線へと変貌します。

黒豚めんたい弁当

博多駅で買ってきた駅弁で昼食。明太子が食べたかったので「黒豚めんたい弁当」をいただきました。

益田駅

うとうとしていたら山を越えていて、山陰本線と合流し益田駅に到着します。益田から先の区間は山陰本線を走行します。

山陰本線 路線図

山陰本線はJR西日本の京都から山陰地方経由で幡生(下関)へと至る路線です。在来線で最長の営業キロを持つ路線ですが、全線を直通する列車は過去を含めて一切無く、区間によって利用客の流動が大きく異なるようです。山陰本線で山陰地方を東西で移動するというよりは、陰陽連絡路線で山陽地方に流れていくイメージです。

山陰本線の車窓

山口線は山岳路線でしたが、山陰本線は一転して海岸を走る路線となります。振り子装置が作動しているのか、山口線よりも大幅に速度が上がっているように感じます。

温泉津駅

初見では読めない駅名。

さらに列車は進んでいき、出雲市駅で下車します。

出雲大社へ

出雲といえば出雲大社が思い浮かびます。折角出雲市に初めて来たので、次の列車までの時間を使って出雲大社に向かいます。

出雲大社へ向かう手段は主に2つあり、一畑電車か一畑バスでアクセスします。次の列車までのタイムリミットは約2時間。次の列車は乗り遅れると大幅にスケジュールが崩壊するので、慎重になるのであれば行かないほうがいいです。

当初は10分乗り換えで16:30発の一畑バスで出雲大社に向かうことを検討していましたが、この日は出雲大社での神事の関係で16:30発の臨時直通一畑電車が出ているようなので、こちらを使います。臨時電車の存在に気づいたのは1週間前で、当日でも乗換検索サイト・アプリでは対応していませんでした。

16:30電鉄出雲市発 → (特急) → 16:48出雲大社前着

恥ずかしながら、何故か路面電車が来ることを想像していましたが、実際には普通鉄道で時速70km近くで走行していました。事前にほとんど下調べをしていなかったので、地味にびっくり。

臨時の直通電車は、その存在があまり知られていないのかガラガラでした。

川跡駅付近

電鉄出雲市から出雲大社前へは、川跡にてスイッチバックが行われます。ワンマン運転なので運転士が反対側にやってきます。ワンマン運転のスイッチバックは初めて見ました。

ご縁横丁

一畑電車で向かう場合は出雲大社までの間に商店街(ご縁横丁)があります。帰りも一畑電車で戻る予定なので、時間があれば寄りたいお店をチェックしつつ出雲大社へ歩いて行きます。

出雲大社

出雲大社 正門前

出雲大社の正門前です。この写真の左手にバス停があります。現在時刻は16:54、この日の出雲大社付近の日の入りは17:13のため、もう日が落ちかけています。

出雲大社 拝殿

出雲大社 八足門

松の参道を歩き、鳥居をくぐり、拝殿から本殿へ。

出雲大社では年に1回、神在祭にて全国の神々を出雲大社にお迎えして神議り(会議)が行われます。この神議りにてご縁を含む人生の様々なことを決めるといわれています。

出雲大社は縁結びの神で有名ですが、男女のご縁だけでなく、ありとあらゆる人のご縁を結ぶとされています。

この神迎祭は旧暦の10月に行われ、全国の神々は出雲地方に出かけられて留守にすることから「神無月」と呼ばれます。逆に出雲地方には神々が集結するため「神在月」と呼ばれます。

この日は神迎祭という神事で全国の神々を出雲大社にお迎えするようです。

参拝方法は2礼4拍手1礼とのことです。八足門から本殿に向けて参拝して帰路につきます。正しい参拝方法は本殿の後は左回りで御社殿をお参りするようですが、時間の都合で失礼かもしれませんが駅へと戻ります。

神迎祭に合わせてスケジュールを立てたわけではありませんが、神迎祭当日に神様をお迎えする前に帰るという。。。

(正直言うと人混みを避けるために神無月(10月)を避けたつもりでしたが、下調べ不足で旧暦ということを全く知らずにスケジュールを立てました・・・)

出雲市駅へ

はちみつソフトプリン

ご縁横丁で気になった「はちみつソフトプリン」を食べつつ駅へと目指します。

出雲大社前駅

出雲大社前駅は通りから線路は見えないため、気づかず通り過ぎそうになります。

17:35電鉄出雲市発 → (特急) → 17:52出雲大社前着

帰りの電車は定期列車です。帰りの臨時電車はもちろん神迎祭の後ですね。電鉄出雲市駅に着く頃には、あたりは真っ暗になっています。ちなみに当初の予定では1本後の17:54発の電車に乗るつもりでしたが、行きの臨時電車のおかげでスケジュールを巻けています。

出雲市駅

出雲市駅

出雲市駅 駅ピアノ

行きは乗り換え時間の都合でじっくり見れなかった出雲市駅。駅ピアノがあるんですね。

寝台列車には車内販売が無いため、必然的に夕食はどこかで食べておくか、持ち込むか、岡山駅の停車時間でダッシュするか(もしくは抜くか)する必要があります。弁当が販売していないか駅ナカを見て回りましたが、この日はすべて売り切れでした。

サンライズ瀬戸との併結がある岡山駅でのダッシュも考えましたが、サンライズ出雲は岡山駅では併結する側のため停車時間内に買いに行ける自信が無いため止めておきます。途方に暮れていましたが、そういえばどこかのYouTuberが寿司を食べていたのを思い出して、駅前の寿司屋で調達しました。

寝台特急 サンライズ出雲 東京行き

寝台特急サンライズ出雲

18:53出雲市発 → 翌7:08東京着

寝台特急サンライズ出雲 路線図

サンライズ出雲は東京から出雲市を結ぶ夜行列車です。東京駅から岡山駅間はサンライズ瀬戸と併結し、合わせて現在の日本の定期列車における唯一の寝台列車となっています。またJR3社にまたがる東海道本線を唯一全線直通する列車でもあります。

サンライズ出雲に乗車

念願のサンライズ出雲です。今回乗るのは4号車にあるA寝台のシングルデラックス。夜行列車に乗るのは人生で最初で最後になりそうな気がするので、気合を入れてA寝台を予約しました(準備編も参照)。

入り口は隣の部屋と共用です。部屋の施錠は任意の4桁の数字を入力して#を押すと施錠されます。開けるときは施錠したときの4桁の数字をそのまま入力します。あくまで施錠したときの4桁の数字で開けるので、毎回変えてもOKです。

サンライズ出雲 A寝台

サンライズ出雲 個室洗面

サンライズ出雲 個室机

A寝台には机や椅子と洗面台があることが特徴です。コンセントは洗面台横に1つあります。

長いこと気動車で揺られていたので、電車であるサンライズ出雲は非常に静かに感じます。

アメニティセット

しばらくすると車掌さんが検札にやってきて、A寝台利用者にアメニティセットを配布します。セットの中にはA寝台利用者用のシャワーカードが入っています。

寿司(夕食)

とりあえず検札が終わったので買ってきた夕食。寿司。

A寝台用のシャワールームがあるため、あまり混むことはなさそうですが、眠気に耐えられるかわからないので早めに済ませます。

伯耆大山で山陰本線から分岐し、伯備線に入ります。

伯備線 路線図

伯備線はJR西日本の倉敷から伯耆大山へ至る陰陽連絡路線です。陰陽連絡路線の中では一番利用者の多い路線のようです。

車窓(月)

都市部を走る路線ではないため、車内からは景色は何も見えません。この日は月がよく見えました。

山岳路線ということもあって結構揺れます。シャワーを浴びてるときにバランスを崩しそうになると焦ります。倉敷を過ぎて山陽本線に入ると、一気に揺れは収まります。

山陽本線 路線図

山陽本線は神戸から山陽地方経由で門司へ至るJR西日本の路線です。東海道本線とともに貨物輸送の大動脈となっています。

岡山駅

山陽本線内では岡山駅で四国方面からやって来るサンライズ瀬戸と併結します。前述の通り、先にサンライズ瀬戸が到着しており、サンライズ出雲は瀬戸の後ろに併結します。ここから東京駅まで14両編成で運転します。また、岡山駅を出発するとおやすみ放送が流れ、車内チャイムやアナウンスが横浜駅まで行われなくなります。

岡山駅でサンライズに向けてカメラを構えている人がそれなりにいました。反射を抑えるために明かりは消しているので、車内からカメラを外に向けづらい・・・。

山陽本線は走る区間はあまり長くなく、すぐに神戸駅で東海道本線に入ります。ちなみに山陽本線と東海道本線のターミナル駅である神戸駅は通過します。

東海道本線 路線図

東海道本線は東京から神戸へと至る路線で、熱海と米原を堺にJR東日本・JR東海・JR西日本の3社に跨っています。言わずと知れた日本最古の路線であり、山陰本線に次ぐ路線長を持っています。

大阪駅付近

大阪駅

大阪駅付近。都市部らしく明るいのですぐ分かります。サンライズは大阪駅の終列車でもあります。

大阪駅を0:33に出発すると、運転停車を除き静岡駅まで止まりません。実質的に夜行列車としては最後の乗客を乗せて東京へと走行します。

明日の日程は途中で乗り物酔いを引き起こしたくないので、寝不足にならないように就寝します。想像していたよりはずっと静かでした。

おわり

盛り盛りスケジュールの2日目が終わりました。明日は本編の後半になります。

付録

主な費用

内訳 金額
乗車券(枕崎→稚内) 31,790
桜島灰干し弁当 1,000
指定席特急券(鹿児島中央→博多) 5,030
黒豚めんたい弁当 1,180
自由席特急券(博多→新山口) 2,530
指定席特急券(新山口→出雲市) 2,950
往復乗車券(電鉄出雲市⇔出雲大社前) 1,000
はちみつソフトプリン 650
寿司 1,492
指定席特急券(出雲市→東京) 3,300
寝台券(出雲市→東京) 13,980
合計 64,902

(他にも多少かかっていますが割愛)

関連リンク