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Windows環境構築の忘備録(Windows 11)

公開日:

カテゴリ: Windows

Windowsをインストールしたときの筆者の初期設定のメモです。OSもWindows 11になり、だいぶ変わったので書き直してみました。

インストール前

  • 必要なデータのバックアップ
    • クリーンインストールではデータは一切残りません
    • 以下の項目は忘れやすいので注意(丸ごとコピーすると容量が大きいので必要なもののみ)
      • %userprofile%\Local (%localappdata%)
      • %userprofile%\LocalLow
      • %userprofile%\Roaming (%appdata%)
      • %programdata%
      • %systemroot%\System32\drivers\etc\hosts
      • ブラウザの拡張機能の設定
  • LANケーブルを外す
  • メディア作成ツールもしくはRufus等でUSBインストールイメージを作成
    • いつのタイミングか、直でISOイメージをダウンロードできるようになっているので、任意のツールでインストールイメージを作成可能です

Shiftキーを押しながら再起動すると、UEFIではなくWIndowsのGUI上でUSBブートを選択することができます。

Windowsのインストール

24H2から全体的にインストール画面が変わっています。全体的には同じですが、主に以下2箇所が変わっているので操作ミスには注意しましょう。

  • これまでは日本語キーボードが自動で選択されていましたが、24H2からは自分で日本語レイアウト(日本語キーボード (106/109 キー))を選択する必要があります
    • PC/AT 拡張キーボード (101/102 キー)は英語配列のキーボードです
  • パーティションのフォーマットは確認画面無しでデータ消去されます
    • 代わりにパーティション選択画面に入る前に、削除の同意チェックボックスが追加されました(なお未翻訳・・・)

インストール先以外は、表示された手順通りで問題ありません。

インストールドライブのパーティションの設定

自動で生成されるパーティション設定の場合、Windowsの大型アップデートの際に回復パーティションの容量が足りない場合に増殖するので、これを阻止するため手動で作成する。

最近のバージョンのWindowsでは増殖しなくなったようなので、任意となりました。また、過去のインストール時に既に設定済みの場合はパーティションを作り直す必要はありません。

Shift+F10キーを押してコマンドプロンプトを開き、diskpartコマンドでパーティションを作成します。入力中にインストール画面をクリックするなどして非アクティブにしてしまった場合は、Alt+Tabで復帰できます。

パーティションの作成方法はBIOS/MBRとUEFI/GPTで異なりますが、現在のWindowsマシンはUEFIが主流のため、そちらを記載しています。

select disk 0 の0の部分は、適宜置き換える必要があります。

DISKPART > select disk 0
DISKPART > clean
DISKPART > convert gpt
DISKPART > create partition efi size=100
DISKPART > format quick fs=fat32 label="System"
DISKPART > create partition msr size=16
DISKPART > create partition primary
DISKPART > shrink minimum=1024
DISKPART > format quick fs=ntfs label="Windows"
DISKPART > create partition primary
DISKPART > format quick fs=ntfs label="Windows RE"
DISKPART > set id="de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac"
DISKPART > gpt attributes=0x8000000000000001
DISKPART > exit

実行後、最新の情報に更新をクリックすることで作成したディスクがインストール画面に表示されるようになります。インストール先を選んで続行します。

初回セットアップ

以前はLANケーブルを外せばローカルアカウントでセットアップできましたが、現在は通常の方法ではそもそもネットワークに接続していないと初回セットアップが出来ない仕様になっています。

つい最近まではコマンドプロンプトを開いてoobe\bypassnrtで回避できましたが、24H2以降は存在しないので以下の方法を使用します。そのうち塞がれそうな気もしますが。

サインインが必要な画面になったらShift+F10を押下してコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力します。

start ms-cxh:localonly

コマンド実行後は出てきた画面の方の手順を進めていけばOKです。最後まで進むと元の画面には戻らずに自動で再起動がかかります。

文字入力時に日本語キーボードのレイアウトにならない場合は、一度再起動すると治るようです。原因はわかりません。Shift+F10を押下して以下のコマンドで再起動できます。

shutdown /r /t 0

なおネットワークに接続していない場合、グラボのドライバがインストールされず解像度が1024x768となる場合がありますが、現時点ではどうしようもないので後でインストールするまで我慢します。

最終ステップでプライバシーなどいらないもののチェックを外し、初回セットアップは完了です。

初回起動後

インターネットに接続すると、いらないアプリを続々とインストールされたり、いらない通信を次々と行ったりするので、接続前に必要に応じて下記の設定を行います。

  • PC名の変更(初期設定で実施していない場合)
  • 不要なアプリの削除
  • 不要なサービスを切る
  • グループポリシーの設定
  • レジストリ設定
  • プライバシーの設定

PC名の変更

LAN内で見えるPCの名前を設定します。デスクトップPCの初期設定は「DESKTOP-ランダム文字列」、ノートOCの初期設定は「LAPTOP-ランダム文字列」です。LAN内でこのPCを参照しない場合はあまり気にする必要はありませんが、一部のソフトウェアではこの名前を使用する場合があります。

ちなみに、Windows11ではローカルアカウントではなくMicrosoftアカウントでセットアップすると、初回起動の手順内でPC名を設定できるようになっているようです。

不要なアプリの削除

プリインストールされているストアアプリ系を削除します。通常の手順で削除可能なアプリはPowerShellで以下のコマンドを実行すると一覧を確認できます。

Get-AppxPackage | ft name,nonremovable

削除する際は、Get-AppxPackageで取得してきた結果をそのままパイプラインでRemove-AppxPackageに渡せばOKです。以下はWebExperienceを削除するサンプルです。

Get-AppxPackage MicrosoftWindows.Client.WebExperience | Remove-AppxPackage

ちなみに、TeamsとOutlookは初回ネット接続時もしくは初回Windows Update時にも自動でインストールされます。

不要なサービスの停止

不要なサービスを止めます。

以下は筆者の独断と偏見によってサービスを切っているため、コマンドを実行する前に必ずご自身でどのようなサービスであるのかを確認してください。

sc stop DiagTrack
sc config DiagTrack start= disabled
sc stop DPS
sc config DPS start= disabled
sc stop MapsBroker
sc config MapsBroker start= disabled
sc stop WdiServiceHost
sc config WdiServiceHost start= disabled
sc stop WdiSystemHost
sc config WdiSystemHost start= disabled
sc stop WerSvc
sc config WerSvc start= disabled

グループポリシーの設定(Pro以上)

Pro以上のバージョンを指定している場合はグループポリシーエディター(gpedit.msc)で各種設定を制御できます。本来の用途とは微妙に異なりますが。

以下は筆者の独断と偏見によってポリシーを設定しているため、無効化する前に必ずご自身でどのようなポリシーであるかを確認してください。

PC構成

  • Windows コンポーネント/Windows エラー報告/Windows エラー報告を無効にする → 有効
  • Windows コンポーネント/クラウドコンテンツ/* → 有効
  • Windows コンポーネント/プッシュしてインストール/* → 有効
  • Windows コンポーネント/検索/クラウド検索を許可する → 無効
  • Windows コンポーネント/検索/Cortanaを許可する → 無効
  • システム/App-V/CEIP/* → 無効
  • システム/インターネット通信の管理/インターネット通信の設定/Windows カスタマー エクスペリエンス向上プログラムをオフにする → 有効
  • システム/インターネット通信の管理/インターネット通信の設定/Windows エラー報告をオフにする → 有効
  • システム/タスクバーと[スタート]メニュー/[スタート]メニューから[おすすめ]セクションを削除する → 有効

レジストリ設定

以下のキー内にあるDWORD値をすべて0に設定します。

HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ContentDeliveryManager

プライバシー設定

設定アプリを開き「プライバシーとセキュリティ」からプライバシー関連の設定を行います。

  • 推奨事項・オファー → すべてオフ
  • 診断とフィードバック → すべてオフ

おわりに

準備が整ったら一度PCを再起動して設定を適用させてから、LANケーブルを繋ぐか無線アクセスポイントに接続して、インターネットに接続します。

Windows Update

設定アプリを開き、更新とセキュリティからWindows Updateを行います。

一部のドライバはこのWindows Updateでインストールされます。グラボ、LANカードのドライバがインストールされる場合が多いようです。

Windowsインストール後、初回のWindows Updateは長いのでこの空き時間に各種設定を弄ります。

各種設定

設定アプリ編

自分の設定を抜粋しています。バージョンによって項目の位置や内容が変わるので、設定内容は適宜調整しましょう。

システム
ストレージ: ストレージセンサー OFF
Bluetoothとデバイス
マウス: マウスポインターの速度 4
マルチタスク: スナップまたはAlt+Tabを押したときにアプリのタブを表示する OFF
ネットワークとインターネット
ネットワークの詳細設定→共有の詳細設定: ネットワーク探索 OFF
個人用設定
色: タイトルバーとウィンドウの境界線にアクセントカラーを表示する ON
ロック画面: ロック画面にトリビアやヒントなどの情報を表示する OFF/ロック画面の状態 なし
スタート: すべてチェックOFF
タスクバー: 検索 非表示/タスクビュー OFF/配置 左揃え/すべてのディスプレイに表示オフ
アプリ
アプリの詳細設定: デバイス間の共有 OFF
アカウント
サインインオプション: 更新後に自動的にセットアップを完了するには、サインイン情報を使用します OFF
時刻と言語
日付と時刻→システムトレイに時刻と日付を表示する: システムトレイの時計に秒を表示する ON
アクセシビリティ
ナレーター: ナレーターのキーボードショートカット OFF
キーボード: 固定キー・フィルターキーのキーボードショートカット OFF/PrintScreenキーを使用して画面キャプチャを開く OFF
マウス: 入力中にポインターを非表示にする OFF/ダブルクリックの速度 1
プライバシーとセキュリティ
デバイスの暗号化: デバイスの暗号化 OFF
音声によるアクティブ化: アプリに音声によるアクティブ化サービスへのアクセスを許可する OFF
連絡先・カレンダー・電話をかける・通話履歴・メール・タスク・メッセージング・他のデバイス・アプリの診断: アクセスを許可 OFF
Windows Update
詳細オプション: 配信の最適化→他のデバイスからのダウンロードを許可する OFF

各種設定: コントロールパネル

設定アプリへ統合がかなり進んでいるため前ほど出番はありませんが、たまにコントロールパネル以外で設定変更できない項目が存在します。開き方は以下の通りです。

スタートWindows ツールコントロールパネル

インターネット オプション
接続タブ→LANの設定→設定を自動的に検出する OFF
インデックスのオプション
不要なフォルダを削除
エクスプローラーのオプション
全般タブ: エクスプローラーで開く→PC
全般タブ: プライバシー→両方チェックを外す
表示タブ: 項目間のスペースを減らす(コンパクトビュー) ON
表示タブ: 登録されている拡張子は表示しない OFF
コンピューターの簡単操作センター
コンピュータを見やすくします: 左Alt+左Shift+PrintScreenキーでハイコントラストを切り替えます OFF
キーボードを使いやすくします: NUM LOCKキーを5病患押し続けることで切り替えキーの機能を有効にします OFF
サウンド
通信タブ: 何もしない
電源オプション
詳細設定→スリープ→スリープ解除タイマーの許可→無効

各種設定: デバイスマネージャー

デバイスによっては操作をするとスリープが解除されるものがありますが、誤爆で起動してしまうことが多いので無効化します。

スタートWindows ツールコンピュータの管理システムツールデバイスマネージャ

キーボード、マウス、ネットワークアダプターのプロパティから電源の管理タブを開き、スタンバイ解除のチェックを外します。

各種設定: タスク スケジューラ

不要なものを無効化します。Windowsの大型アップデートが走っている場合、再起動後にリセットされる場合が多いので、アップデート適用後に行いましょう。

スタートWindows ツールタスク スケジューラ

  • \Microsoft\Windows\Application Experience
  • \Microsoft\Windows\Customer Experience Improvement Program
  • \Microsoft\Windows\Diagnosis
  • \Microsoft\Windows\Feedback\Siuf
  • \Microsoft\Windows\Windows Error Reporting

ドライバのインストール

Windows Updateで自動でインストールされなかったドライバをインストールします。自動でインストールされたバージョンより新しいものが公開されていた場合は更新しても問題ありません。OEMモデル(いわゆるメーカー製PC)を使用している場合は、メーカーがドライバをカスタムしている可能性があるため、手動でインストールする場合は注意が必要です。

マザーボードのドライバのインストールを忘れると、PC前面パネルの機能が制限されることが多いです。

各種機能の有効化

必要に応じて各種オプション機能を有効化します。WSLはwsl --installコマンド一発で有効化できますが、他の機能もインストールしたいのでdismコマンドでまとめて有効化します。

rem 仮想マシン プラットフォーム
dism /online /enable-feature /featurename:"VirtualMachinePlatform" /all /norestart

rem Linux 用 Windows サブシステム
dism /online /enable-feature /featurename:"Microsoft-Windows-Subsystem-Linux" /all /norestart

rem Windows サンドボックス
dism /online /enable-feature /featurename:"Containers-DisposableClientVM" /all /norestart

実行後は再起動が必要です。そこそこ時間がかかります。

WSL2の有効化

機能自体は有効化したので、以下のコマンドを実行してカーネルをインストールすれば完了です。だいぶ簡単になりました。

wsl --update

あとはディストリビューションをインストールすれば使えるようになります。

wsl --install Ubuntu

各種ソフトウェアのインストール

各々が必要なソフトをインストールします。

  • ブラウザ
  • IME
  • テキストエディタ
  • コードエディタ
  • 画像編集ソフト
  • チャットソフト
  • ゲームクライアント

右クリックメニューの整理

基本的にアプリを削除すれば消えるので、残しているアプリやWindows標準のメニューにあるものを対象としています。Windows 10時代の古いメニューは標準では表示されなくなったので、そちらの設定は省略します。

rem "スタートにピン留め"を削除
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blocked" /v "{470C0EBD-5D73-4d58-9CED-E91E22E23282}" /t REG_SZ /f
rem "メモ帳で開く"を削除
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blocked" /v "{CA6CC9F1-867A-481E-951E-A28C5E4F01EA}" /t REG_SZ /f
rem "共有"を削除
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blocked" /v "{e2bf9676-5f8f-435c-97eb-11607a5bedf7}" /t REG_SZ /f
rem "右に回転"・"左に回転"を削除
reg add "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Shell Extensions\Blocked" /v "{FFE2A43C-56B9-4BF5-9A79-CC6D4285608A}" /t REG_SZ /f
rem "お気に入りに追加"を削除
reg add "HKLM\SOFTWARE\Classes\*\shell\pintohomefile" /v "ProgrammaticAccessOnly" /t REG_SZ /f

その他

起動が遅い気がする

UEFIの設定でCSMとSecureBootが両方有効になっている場合は起動が遅くなります。CSMはレガシー向けの機能のため、CSMの無効化を推奨します。UEFIの設定はマザーボードのメモリに記憶されるので、CMOSクリアを行わない限り、再インストール時は改めての設定は不要です。

UEFIの設定を開きたい

スタートメニューの再起動をShiftキーを押しながらクリックし、表示されたメニューから「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」→「再起動」

参考情報

カテゴリ: Windows