雑記帳

整理しない情報集

日本縦断の旅 3日目

去る11月の初週に1人で日本を(ほぼ)鉄道で縦断する旅をしてきました。その旅の記録の3日目です。3日目は寝台列車から稚内駅到達までです。

文章量は2日目より少ないですが、写真の枚数は2日目並のため、モバイル回線をご利用の方はご注意ください。

黎明

車窓 静岡駅

昨日に引き続き、本日も寝台列車からのスタートです。筆者は4:30頃に目が覚めました。ちょうど大阪駅出発後、最初の停車駅である静岡駅に到着するタイミングでした。まだ真っ暗ですが、これから列車名の「サンライズ」の通り、日の出を拝みます。4号車の個室はすべて窓が南向きなので、天気が良ければ日の出が見られます。

車窓 沼津駅

5:30頃、沼津駅を過ぎたあたりです。ちょうど空が明るくなり始めるタイミングで、日が出る方向を見ると建物のシルエットだけが分かります。

車窓 三島駅付近

車窓 熱海駅付近

三島駅付近と熱海駅付近。根府川駅付近は海にかなり近づくポイントですが、下り線に特急列車が停車しており見えませんでした。

車窓 小田原駅付近

小田原駅を過ぎたあたりで本日の日の出の時刻です。旅行中の夜明けは、個人的に旅行している感があってテンションが上がります。

車窓 東京駅

サンライズ出雲 回送

列車は東京駅へ到着します。名残惜しいですが、寝台列車はここまでです。

東京駅

東京駅 (3日目)

ということで、2日ぶりに東京駅に戻ってきました。この日は飛び石連休の中日の平日ですので、あたりは通勤客です。まだ朝ラッシュはピークを迎える前なので、人は少なめです。

普通の旅行であれば、ここで「お疲れ様でした」で帰路につきますが、この旅ではちょうど半分の折り返し地点です。

東京駅からは再び新幹線で北海道へと向かいます。

東北・北海道新幹線 はやぶさ7号 新函館北斗行き

東北新幹線

8:20東京発 → 12:17新函館北斗着

東北新幹線 路線図

東北新幹線はJR東日本の新幹線路線で、東京から新青森へ至る路線です。JR北海道の新幹線路線と直通しており、1本で函館までいけます。大宮から盛岡間は、現在の日本の鉄道路線最速の320km/hで運転されています。

グランクラス座席

東北・北海道新幹線に乗りますが、今回のテーマにある「通常の思考ではやらなさそうなことを採用」の最たる例である、グランクラスに今回は乗車します。

グランクラスを採用した理由は実はもう1つありまして、3日目のスケジュールは乗り物酔いをして途中下車するわけにはいかないため、少しでも乗り物酔いのリスクを減らすために、フルアクティブサスペンションが搭載された揺れにくいグランクラス車両に乗ることにしたというのもあります。

なのですが、どれくらい揺れにくいのかについては筆者には比較対象が無いので分かりません・・・。

今回乗車したはやぶさ7号は、最速達タイプのはやぶさとなっています。新函館北斗まで最も停車駅が少なく、上野と八戸を通過します。また秋田新幹線のこまち号とは併結せず、全線で単独編成で運転します。下り列車でこれらの特徴を持つのは、現在のダイヤでは8:20東京発のはやぶさ7号と9:36東京発のはやぶさ13号の2本のみです。

東北新幹線 車窓(1)

東北新幹線 車窓(2)

東北新幹線の車窓から。

グランクラス 軽食(洋食)

グランクラス 茶菓子

はやぶさ7号のグランクラスは、グランクラスアテンダントのサービスが利用でき、軽食がついてきます。軽食は時季によりメニューが異なり、さらに洋食と和食が選べるようになっています。今回は洋食を選択しました。

飲み物はジュースや烏龍茶の他にワインなど、他には茶菓子も頼むことができます。

車窓 新青森駅

列車は新青森を過ぎると、北海道新幹線に入ります。

北海道新幹線 路線図

北海道新幹線はJR北海道の新幹線路線で、新青森から新函館北斗へ至る路線です。途中の津軽海峡は海底トンネルとなっており、本州と北海道を唯一の陸上交通となっています。

青函トンネル テロップ

青函トンネルに入ると車内の電光掲示板にテロップが流れます。また青函トンネルに入る前は、車掌による青函トンネルの案内放送が入ります。グランクラスは先頭車両なので、一番先に青函トンネルに入り、一番先に青函トンネルから出ます。

竜飛定点

吉岡定点

竜飛定点と吉岡定点は流石に車内からは分からないかなーとか思っていましたが、トンネル内の蛍光灯の数が明らかに多いので気付けました。現在は緊急時の避難施設となっているようです。青森側はすぐ上に、北海道側は少し離れたところに、どちらも地上には青函トンネル記念館があるようです。

20分程で青函トンネルを抜けます。数字だけで見ると長いですが、あっという間に過ぎ去ります。

車窓 木古内駅付近

木古内付近です。青函トンネルは新幹線の標準軌と貨物用の狭軌の三線軌条となっており、今別あたりから木古内付近まで共用区間となっています。

木古内を過ぎると、新函館北斗まではすぐです。

新函館北斗駅

新函館北斗駅

新函館北斗駅を降りると一気に気温が変わっています。現在のホームは2面2線の相対式ホームですが、将来的には2面4線にできそうな構造をしています。

新函館北斗駅 札幌方面

現在延伸工事中の札幌方面。2030年度末開業予定のようです。

新函館北斗駅 北口

新函館北斗駅 南口

新函館北斗駅の改札をちょっとだけ出てみましたが、駅周辺は特に何もありません。北海道新幹線の札幌延伸で賑わうの、かな?

特急 北斗11号 札幌行き

特急 北斗

12:34新函館北斗発 → 16:04札幌着

(写真は上手く撮れず、LivePhotoの切り抜きです)

特急 北斗 路線図

特急北斗は函館から内浦湾沿いに「函館本線→室蘭本線→千歳線→函館本線」と経て札幌を結ぶ路線です。函館と札幌を結ぶ一番代表的な交通手段ですね。

函館本線 路線図

函館本線は函館から長万部・小樽・札幌・岩見沢を経て旭川へ至る路線です。全線を直通する列車はありません。函館と札幌を結ぶ列車は、長万部から札幌までの区間について、すべての直通列車が室蘭本線・千歳線経由(いわゆる海線)で運行するため、函館本線側(いわゆる山線)はローカル線となっています。

この山線区間のうち長万部から小樽の区間については、北海道新幹線の札幌延伸と同時に廃線が決定しています。

車窓 小沼

新函館北斗を出ると左手に小沼が見えてきます。大沼は右側にあり、列車はちょうど小沼と大沼の間を走行します。

函館本線 車窓

北海道らしく、広大な草原や林の多い車窓です。流石に紅葉の季節は終わっています。

函館駅開業120周年記念弁当(外側)

函館駅開業120周年記念弁当(中身)

お昼は新函館北斗駅で買った駅弁です。函館駅120周年記念の弁当のようですが、お値段は過去最高額の1800円です。

車窓 長万部駅

前述の通り、列車は長万部駅で室蘭本線へと入っていきます。

室蘭本線 路線図

室蘭本線は長万部から室蘭付近を経由し岩見沢へと至るJR北海道の路線です。線名の室蘭は東室蘭からの支線でアクセスします。このうち長万部から沼ノ端間は特急列車が走るエリア、沼ノ端から岩見沢間は本数の少ないローカル線となっています。

室蘭本線 車窓

車窓。

在来線で最も長い直線区間

このあたりは在来線の中で最も長い直線区間となっているようです。このあたりに限った話ではありませんが、線路と沿線の建物との間が広くとられています。

車窓 沼ノ端駅

沼ノ端を出ると列車は千歳線に入ります。

千歳線 路線図

千歳線は白石から南千歳へと至るJR北海道の路線です。札幌から新千歳空港、室蘭・函館方面、帯広・釧路方面へと向かう各種列車が通る大動脈で、道内唯一の全線複線の路線となっています。

千歳線の車窓はこれまでの風景よりも、一層建物の割合が増えてきます。

車窓 札幌貨物ターミナル付近

白石から先は再び函館本線に入り、少し西に進み札幌駅に到着します。

札幌駅

札幌駅

札幌駅 改札口

札幌駅到着はちょうどラッシュに入った頃なのか、通勤客らしき人がたくさんいました。とはいえ、相も変わらず列車を出ると寒いです。

今回の切符では白石駅経由で旭川へ向かう経路のため、札幌駅では途中下車をすることができません。別途白石駅と札幌駅間の乗車券を買うことで、札幌駅で降りることができます。札幌駅の窓口では白石駅で途中下車したとみなすための、専用途中下車印を用意しているようでした。

札幌時計台

乗り換え時間があるので、札幌時計台へ寄り道。思ったより距離があったので、夕食を食べに行くのは諦めます。今更ですが、4日目の日程に回せばよかったなぁと・・・。

札幌駅に戻り、次の列車に乗り込みます。

札幌駅は札幌終着列車の到着放送が流れるんですね。「F C# A ♪」

特急 カムイ33号 旭川行き

特急カムイ

18:00札幌発 → 19:25旭川着

(写真は上手く撮れず、LivePhotoの切り抜きです。それでもブレてますが・・・)

札幌と旭川を結ぶ特急列車は「ライラック」と「カムイ」があり、今回はカムイを使用します。札幌と稚内を結ぶ特急「宗谷」もありますが、現在は札幌駅7:30発の1本しかありません。

海鮮えぞ賞味

札幌駅で買ってきた駅弁で夕食です。海鮮弁当です。

札幌駅で乗車した時点で日は落ちており、車窓は何も見えません。明るければ途中に日本一長い直線道路が見えるようです。

列車は旭川に到着します。

旭川駅

札幌方面から稚内方面/網走方面に向かう場合、旭川駅乗り換えでも特急券を通算できるのですが、旭川駅では途中下車できません。

次に乗る列車は1本後の札幌駅発でも間に合いますが、せっかく1本前の列車に乗ってきたので旭川の改札内を徘徊歩き回ります。

旭川駅 ホーム

旭川駅のホームは4面7線の高架駅です。たくさんホームがありますが、全部埋まるタイミングはあるのかな?

旭川駅 改札口

旭川駅は最近改装したのか、とても綺麗な内装となっています。壁、床のタイル、案内表示など、多くの設備が真新しい状態です。

改札外のフリースペースでは中高生?が勉強スペースとして利用しているようです。

特急 サロベツ3号 稚内行き

特急サロベツ

20:06旭川発 → 23:47稚内着

宗谷本線 路線図

最後の路線はJR北海道の宗谷本線で、旭川から稚内へと至る路線です。日本最北の鉄道路線で、途中駅での接続路線は一切ありません。

サロベツ3号は稚内行きの最終列車で、稚内駅には日付が変わる直前に到着します。コロナ禍以降のダイヤで運休日が設定されるようになったので、乗車する際には注意が必要です。

今回はグリーン車を使用しましたが、特急料金を通算する場合は札幌駅から旭川駅間も、乗る列車に関わらずグリーン料金が徴収されます。特急カムイにはグリーン車が設定されていないため、通算グリーン料金を気にする場合はライラックを選択した方が良いです。

筆者はライラックが遅れてサロベツ3号に乗れない事態を避けるため1本前のカムイを選択しました。時期的にライラックが遅れることは少なさそうですし、旭川駅での接続列車にもなっているため、サロベツに乗れないことはあまりなさそうではありますが。終列車間際なので、このあたりの考え方はセンス次第です()

ちなみに、この日のサロベツ3号のグリーン車の利用者は筆者だけでした。

雪

外が真っ暗なので写真はあまりありません。途中駅では雪が積もっているところもありました。

対向の宗谷号

この日は稚内発の特急宗谷が鹿と衝突して遅れており、士別駅で15分の交換待ちが行われました。

ひたすら真っ暗な中を列車は突き進み、稚内駅へと向かいます。

稚内駅

稚内駅(1)

稚内駅(2)

ついに日本最北端の駅である「稚内駅」に到着しました。最終的に13分遅れまで巻き返し、着いたのはギリギリ日付が回ったタイミングでした。

ホテルのチェックインを24時にしていたので、フロントを待たせてしまっているホテルへ足早に向かいます。駅や駅周辺は明日にします。風がとにかく強いです。

北防波堤ドーム(夜)

ホテルにチェックインする前に、ホテルの隣にある北防波堤ドームをちらっと。

稚内サフィールホテル

稚内サフィールホテル エントランス

今夜泊まるホテルは稚内サフィールホテルです。旧ANAホテルで、結婚式などにも使用されるホテルのようです。24時以降に確実にチェックインできるという情報があったのがこのホテルだったので選択しました。写真は翌朝撮影のものです。

シングルを予約したのですが、ダブルに変更となっていました。

日付が回っており、近くの部屋に人がいなくて静かなのか、寝ていて静かなのか分からないので、シャワーは明日にして就寝します。

おわり

ついに鉄道で枕崎から稚内駅まで到達した3日目でした。明日はいよいよ本土最北端です。

付録

主な費用

内訳 金額
グリーン車特急券(東京→新函館北斗) 10,800
グランクラス券(東京→新函館北斗) 17,780
函館駅開業120周年記念弁当 1,800
グリーン車特急券(新函館北斗→札幌) ※乗継 1,320
グリーン券(新函館北斗→札幌) 4,190
往復乗車券(札幌⇔白石) 500
海鮮えぞ賞味 1,100
グリーン車特急券(札幌→稚内) 2,640
グリーン券(札幌→稚内) 4,190
稚内サフィールホテル(シングル) 8,820
合計 53,140

(他にも多少かかっていますが割愛)